「糸車でつくる手紡ぎの毛糸」つくりかた手順
-ヨーロッパの手仕事-Glem Tid(グレムティッド)で制作している、手紡ぎ毛糸の作り方をご紹介します。
①羊毛を用意する
まず、作りたい毛糸の必要分の羊毛を用意します。
②糸車に羊毛をセットする
次に、糸車に用意した羊毛をセットして、紡ぐ準備をします。
左上にあるボビンと呼ばれるドラムのような部分に、糸が巻かれていくように、羊毛をセットしていきます。そして、ボビンにつながっている導き糸、と呼ばれる糸に羊毛を取り付けます。導き糸の先端が輪になっているので、羊毛を指先で細長く伸ばし、輪に入れます。
③糸車で羊毛を紡ぐ
右側にある車輪を時計回りに回すと、ボビンが連動して回り始めます。
取り付けた羊毛を手で押さえると、回転するボビンに引っ張られ、羊毛が引き出されながら、撚りがかかっていきます。
車輪は、下にある足ペダルと連動しているので、手で羊毛が好みの細さ、撚りかげんになるのを調整しながら、ずっと足ペダルを踏み続けます。
羊毛を紡いでいると、下の写真のように、糸の中にネップと呼ばれる小さな固まりができることがあります。
これは羊毛を引き出す際に、羊毛の繊維が密集している部分にあたり、糸を引きのばした際にダマになることで生じます。均一に糸の太さを生産できる機械には出せない、自然のままの素材を使う手仕事ならではの風合いや特徴です。
④できた糸をさらに撚(よ)る
2本もしくは複数本の撚り糸をつくる場合は、複数のボビンに等分に糸を紡ぎます。
最初の毛糸を紡ぐときと同じように、紡ぎ車にセッティングした空のボビンの導き糸に、複数の糸をつなげます。
糸を紡ぐときは、紡ぎ車の車輪を時計回りに回したのですが、2本撚り合わせるときは、反時計回り、逆向きに回します。
⑤できた毛糸を「かせ」にする
糸が全部、2本に撚れたら、「かせくり棒」という道具に毛糸を巻き取っていきます。
全部、巻き取れたら、毛糸がこんがらがらないように、ヒモなどで束を縛り、毛糸をかせくり棒から外します。
この毛糸の束を「かせ」といいます。「かせ」の状態で保管しておく場合には、輪をねじって、写真のような形にしておきます。
⑥撚り止め
紡いだままの毛糸では、ヨリが戻って切れやすくなったり、クルクルとねじれがひどい場合があったりするため、そうした状態を直したり防止するため「撚り(より)止め」という作業を行います。
まず、40度ほどのお湯をバケツに用意します。
そこに、「かせ」にした毛糸を入れて30~40分ほど浸しておきます。
それが終わったら、日陰で干します。
糸は日焼けして色が変わったりするので、直射日光は当てないようにしています。
⑦玉に巻く
毛糸が乾いたら、使いやすいように玉に巻きます。
玉にするのに使う道具は「かせくり器」と「玉巻き器」です。
「かせくり器」
玉巻き器
まず、かせくり器に、輪の束になった毛糸を通します。
※かせくり器は、カサの部分をたためるので、細くした状態から毛糸の束を通します。
かせくり器に設置した毛糸の端の部分を、左側の小さな輪になっている部分に通して、右の白い筒の先端にある溝に通します。
ハンドルを巻くと、この筒に糸が巻かれていきます。
玉巻き器に糸がたまっていったら、取り外して、また新しい玉を作っていきます。
これで、手紡ぎ毛糸が完成しました。